「カチカチ、パチパチ…」
あの軽快な珠(たま)の音。 子供の頃、そろばん塾に通っていた皆さん。電卓やスマホが当たり前の今でも、あの指先の感覚、頭の中の盤面、独特の緊張感を覚えていませんか?
今回は、そろばんを習ったことがある人なら「あ〜、あったあった!」と頷いてしまうこと間違いなしの、「そろばん経験者あるある」を10個集めてみました。
1. 無意識の「エアーそろばん」
これは、経験者なら誰もが通る道ではないでしょうか。
日常生活で数字の羅列(電話番号、レシートの合計金額など)を見ると、右手の親指と人差し指が「カチ、カチッ」と空中で動いてしまう。授業中、先生の話を聞きながら、指だけが机の下で動いている…なんてことも。
2. レジの店員さんより早い「お釣りの暗算」
買い物をした時、「合計〇〇円です」と言われた瞬間、頭の中のそろばんが作動。「1万円出したら、お釣りは…はい、出た」と、レジが開く前にお釣りの額が分かってしまう。
店員さんの入力ミスに、心の中でそっと気づくことも。
3. 車のナンバープレートを、見たら「足す」
もはや癖、いや、呪いと言ってもいいかもしれません。
対向車のナンバーが「・4 58」だったら「17」、「32-96」だったら「138」と、意味もなく足し算してしまう。助手席に座っている時は、この作業が止まりません。
4. 「ご破算(ごわさん)で願いましては…」の呪文
「読み上げ算」の開始を告げる、あの独特のイントネーション。 「ごはっさんで〜ねがいまして〜は〜…」 このフレーズを聞くと、今でも背筋が伸びるような、懐かしい緊張感が蘇ります。
5. 読み上げ算で「置いていかれる」絶望感
「…5円なり、12円なり、84円なり、530円なり…」 順調に弾いていたのに、一瞬迷ったせいで次の数字が入り切らない。一度置いていかれると、もう追いつけない。
周りの「カチカチ」という音だけが響く中、自分だけが止まってしまう、あの焦りと絶望感…。
6. 数字が「文字」ではなく「珠の形」で見える
そろばん上級者になってくると、脳の構造が変わってきます。
数字の「7」は、もはや「なな」という文字ではなく、「上の5珠が1つと、下の1珠が2つ」という珠の配置イメージで認識されます。この感覚、分かりますでしょうか?
7. 検定試験の「やめ!」の静寂
試験開始の合図とともに、会場全体が「カチカチカチ!!」という珠の音の嵐に包まれます。
そして、タイマーが鳴り、「はい、やめ!」の声がかかった瞬間。 全ての音がピタリと止み、鉛筆を置く「カタン」という音だけが響く。あの空間の支配力は異常です。
8. 指先にできる「そろばんダコ」
特に練習を頑張っていた時期、鉛筆ダコとは違う場所に、硬い「そろばんダコ」ができませんでしたか?
人差し指や中指の、珠を弾く特定の場所。それは、ひたすら反復練習を繰り返した「努力の証」でした。
9. あの「細長いそろばんケース」
ランドセルにまっすぐ入らない、あの特徴的なそろばんケース。ビニール製だったり、謎のファンシーな絵柄が描いてあったり。
雨の日にケースが濡れて、中のそろばんまで湿気ってしまった記憶がある人もいるはずです。
10. 「ご破算」の「シャキーン!」という快感
計算が終わった後、そろばんの枠を持って人差し指でバーを「シャキーン!」と払い上げる、あのリセットの瞬間。
特に木枠の良いそろばんを使っていると、この「ご破算」の音と感触が最高に気持ちよくて、無駄にリセットしてしまったりしませんでしたか?
まとめ
いくつ「あるある!」と共感していただけたでしょうか?
練習は地味で大変だったかもしれませんが、そこで得た集中力や暗算能力、そして「やればできる」という自信は、大人になった今でも「一生モノの財産」になっているはずです。
あなたのそろばんの思い出も、ぜひ聞かせてくださいね。

